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良い意思を持ってマスカレイドになってしまう人もいる。
そんな人と戦うのは、とても嫌だな、と。思った。


僕自身が良い意思を、心を持っているとは思ったことがない。
この力を手に入れてからアクスヘイムに至るまでしてきた事は、とても良い事とは言い難い。

昼には弾き語りをしながら、夜にはひたすら裏の人間を捕らえて、賞金を貰う。
実際、賞金は貰わなくても生活出来た。そして、獲物がマスカレイドなら、躊躇なく命を奪った。
……破壊衝動、のようなものだったのか。
幼い頃にエンドブレイカーとなっていなかったら、棘に憑かれていてもおかしくなかったような気がする。


大切なものを護ろうとする彼の想いは美しい。尊敬に値するとも思う。
残念なのは、彼が棘に頼ってしまったことか。

けれど、逆だったらどうだったろう? 或いは僕に、終焉を終焉させる力がなかったら?
仮に大切なものがあって、それなのに、護る為の力が無かったとしたら。
恐らくきっと、棘をこの身に宿しただろう。
例えるならば、決断の時に手を差し伸べたのが、神だったか悪魔だったかの違いなのだ。


ある人は、マスカレイドになってまで護られたくないと言った。
ある人は、マスカレイドになんてなるものではないと言った。

たしかにその通りだ。エンドブレイカーとして、その考えは正しい。

それでも、「力」を求めてきた僕は、思うのだ……思ってしまうのだ。
戦う為、護る為に手に入れた「力」は。「力」を手に入れようとした意思は、果たして罪なのか、と。





もうすぐ、エルフヘイムの命運を賭けた決戦が始まる。
元凶であるスフィクスの軍勢、新たな沼地の魔女の軍勢、そしてクライブの軍勢と戦うことになる。

思うことは多々あれど、やる事は決まっている。

僕はエンドブレイカー。
マスカレイドを葬り、棘を破滅へと誘うことが、僕の使命だ。

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